因島 白滝山 伝六夫婦子息像(仮名)
山頂の等身大の石仏群のなかに尊名が記されていない像がある。一観夫妻の像のすぐ下の三像で今までのそれぞれの案内書にも、舒延先生の研究記録のなかにも見えない。 村上安弘(2009)、p.25
謎の3体であるが、左の2体は、すぐうしろ(南)の、伝六夫婦像にそっくりである。右(西)は空席になっていた伝六の左隣に座るべき人であるから、ご子息ということにならないだろうか。仮に、伝六夫婦子息像と呼んでおく。しかし、そうすれば、伝六夫婦像との関係がますますわからなくなる。
うしろの伝六夫婦像の寄進者は台座に「施主 柏原伝六」と彫ってあるように、伝六自身である。こちらは、右(西)の像が、伝六の子息であるとしたら、それは東の浜の港を築港した水軒翁で、施主もその人であろう。
真ん中の像の台座には寄付者名が「大阪 柏原 中屋 松兵衛」と読める。この人は寄付録にも載っている。