因島 白滝山 用語解説
仏教、仏陀、釈迦
中国で"仏教"と記すのは"儒教""道教"というのと同じように二個の漢字にまとめたものであるが、詳しくいえば"仏陀"の宗教である。
"仏陀"の宗教というのは第一には"仏陀によって説かれた宗教"である。
しかし"仏陀"は固有名詞ではない。budh-"めざめる"という動詞の過去分詞で"めざめた人"という意味であり、当時のインドにおいて"(宗教的にみて)完全な境地に到達した人"をさすことになっていた。中村元「仏教」(岩波新書)、p.45
歴史的にみれば実際に出現した仏陀はシャーキャムニ(シャーキャ族出身の聖者)〔釈迦牟尼=釈尊〕と尊称される人ひとりのみである。中村元「仏教」(岩波新書)、p.46
観音さま、観音菩薩
竺法護は光世音、鳩摩羅什は観世音と訳した。後にヒンドゥー教の自在天信仰の影響で、玄奘などによって観自在と訳された。
『阿弥陀経』『無量寿経』『観無量寿経』などの浄土系経典では、勢至菩薩とともに阿弥陀仏の脇侍とされるように、阿弥陀信仰にともなって普及した。
渡辺章悟「岩波 哲学・思想事典」(岩波書店)、p.295