尾道市因島 因島の地学
因島の地質や岩石について書かれている本は意外と少ない。
そこで、ここでは一部であるが関連した記事の載ってあるものを紹介する。
広島県教育委員会編「家船民俗資料緊急調査報告書」、因島文化財協会、1970、p.3
には、
石田寛、藤枝孝善、武永健一郎「地理環境 ー因島・三原・尾道漁場の地理的条件ー」
があり「2.箱崎地区をめぐる地理的環境」で因島の自然環境と利用が記されている。一部抜粋する。
p.3
島の地形は島の方向と直交する2本の構造線によって特色づけられる。
因島中央部には生口島北部をへて大三島中部へのびる東北東~西南西方向の構造線に支配された中庄町の低地があり、因島南部にも生口島南部をへて西へのびるほぼこれと同じ方向の構造線に支配された三庄町~土生の低地がみられる。さらに、この低地をはさんで北部・中部・南部の三つのブロックに分けて考えてみることができる。
楠見久、鷹村槿監修、広島県地学のガイド編集委員会編、「広島県 地学のガイド」、コロナ社、昭和54年、にはp.251から「因島・生口島地域」があり、大浜町・鏡浦町・三庄町が紹介されている。
p.251
因島市周辺は、粘板岩と砂岩を主とする古生層と中生代白亜紀の花崗岩類、そして低地に堆積している沖積層から成っています。
p.253
大浜町付近-黒雲母花崗岩と古生層の接触部付近
鏡浦町梶ノ鼻-粘板岩を貫く流紋岩の大岩脈
p.254
鏡浦町海岸-黒雲母花崗岩・玢岩の岩脈
p.255
三庄町地蔵ケ鼻付近-珪長岩の露頭と墨流し構造
『理科教育研究資料 65 小学校・中学校理科における野外観察 広島県のおもな露頭とその観察指導の要点』(広島県理科教育センター編,1970)
は、未見。