夕凪亭別館

本館 http://hb8.seikyou.ne.jp/home/crystal/index.htm        博物誌インデックスhttp://hb8.seikyou.ne.jp/home/crystal/Naturalis/Naturalis001.htm        植物誌インデックス http://hb8.seikyou.ne.jp/home/crystal/plants/plant001.htm

因島・ふるさとの歴史を学ぶ会

いんのしまみち しげいみち おおはまみち なかのしょうみち とのうらみち かがみうらみち むくのうらみち みつのしょうみち はぶみち たくまみち 日本のみち

ふるさとの歴史を学ぶ会 (本頁)


お知らせ

第42回以降

 

とびしま海道 参加費6000円。要申込。弁当持参。 (44回12月の予定。人数次第で延期。予備、島四国。)

因島四国霊場大浜 1−7番 参加日1000円。要申込。弁当持参。(43回11月の予定) 

 

2019年10月15日(火曜日)。第42回。

第1部。 重井公民館8:500−10:00   

第2部。 今治四国霊場 南光坊 泰山寺 栄福寺 仙遊寺 国分寺 参加費6000円。要申込。弁当持参。

 

 

2019年9月17日(火曜日)。第41回。

第1部。 重井公民館9:00−9:50   32人。

第2部。 尾道 参加費 3000円。 21人参加。

     10:20重井東港より。14:10、一部、16:00尾道発で帰る。

 

2019年8月20日(火曜日)。第40回。

第1部 27名参加。

第2部。由加山 野崎邸 鷲羽山  18名。参加費6000円。(含・野崎邸拝観料500円)

 

 

2019年7月16日(火)第39回

第1部27名参加。

第2部史跡散歩 18名参加。

竹原、三原市幸崎町善行寺、竜王山へ行きました。参加費5000円。

 

20190618 第38回 

第1部 32名

第2部 25名

 乗用車4台で平家谷、枝広邸、浦崎へ行ってきました。参加費3000円。

 p.82p.94-95枝広邸   平家谷  浦崎町戸崎

 

20190621第37回

第1部 29名

第2部 22名 

  土生港から魚島へ行きました。ただし、柏原は医師会病院へ入院していたため、午後は参加できませんでした。 それゆえ、参加費なし。各自船代を払う。

 

 

 

 

2016年Vol.1 第1回資料 第2回資料 第3回資料 第4回資料 第5回資料 第6回資料 第7回資料 第8回資料 総目次

2017年Vol.2 第9回資料 第10回資料  第11回資料 第12回資料 第13回資料   第14回資料 第15回資料 第16回資料  第17回資料 第18回資料   第19回 資料  第20回資料 総目次

2018年Vol.3 第21回資料  第22回資料 第23回資料 第24回資料 第25回資料 第26回資料 第27回資料 第28回資料 第29回資料 第30回資料 第31回資料 第32回資料 総目次

どなたでも参加できます。

定例会、実習部会 Working Group、エクスカーションExcursion があります。

 

定例会

どなたでも参加できます。当日、それぞれの会場にお来しください。  

毎月第三火曜日。 (2018年1月は第4火曜日)
第一部 
場所:(講座)重井公民館
時間:午前(開始時刻は変更することがあります。各回の最終頁下段に次回の予告があります。)9:00−10:20

資料代100円。 

第二部

史跡散歩 要:申し込み

(時間と場所は毎回変わります。各回資料の最終頁下段に次回の予定探訪地を掲載)

参加費(交通費の一部を含む)不定。  

(どちらか一方の参加も可能です。)(第二部は申し込みが必要です。

  

 

次回の予告は各回資料の最終ページに案内しております。

 

 

 実習部会 Working Group不定期、第3火曜日以外)

*資料代若干 要申込(申込先:各回資料の最終ページに記載)

 

エクスカーションExcursion (不定期、第3火曜日以外)

*参加費不定 申込必要(申込先:各回資料の最終ページに記載)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

過去の記録

第1回2016年5月17日(火) 
第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:21名。第二部
重井公民館(11:30)~高照院(常楽院大徳の墓)~除虫菊畑~馬神城跡(現地解散)
参加者:14名。


第2回  2016年6月21日(火) 
第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:17  名。

第二部

13:00大浜JA沖集合。千人塚、斎島神社・幸崎城跡、土井城跡(現地解散)、大楠山。

参加者:10  名。

 

第3回2016年7月19日(火) 
第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:21 名。

第二部

13:00発フェリーで細島へ。茶臼山城跡、浜田神社、共同墓地、荒神社、細島一号石棺、三十三観音等。帰りフェリー:14:00、16:00、17:40 。フェリー代往復300円。

参加者:11 名。

 

第4回2016年8月16日(火) 
第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:19 名。

第二部

 13:00因島図書館駐車場集合。島前城跡、釣島箱崎浦合戦跡、大山神社、対潮院、妙泰神社。

参加者:10名

 

 

第5回2016年9月20日(火) 
第一部 

重井公民館、10:00~11:30
参加者:15 名。

延期 9月26日(月)13:00、中庄西浦峠島四国15番国分寺前集合。茶臼山城跡、松浦氏先祖碑、徳井屋敷、菅原神社。 12:30 因島北インターバス停前ローソン集合乗り合わせ。

参加者:12名。 

 

第6回2016年10月20日(火) 
第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:13 名。

第二部

 13:00、因島モール郵便局付近集合。天神山城跡、浄土寺、岡野明神藤原神社、金栗池。

参加者:9名。別の日2名。

 

 

第7回 2016年11月15日(火) 

第一部 
重井公民館、10:00~11:30
参加者:17名。

第二部 

13:00、ホテル因島鯖大師前集合。因島公園、奥の院大宝寺荒神山城跡、長崎城跡、弓場・馬場跡等。

参加者:16名。

 

第8回 2016年12月20日(火) 

第一部 
重井公民館、10:00~11:00
参加者:16名。

第二部 

11:30、ローソン重井店駐車場集合。向島余崎城跡、高見山、除虫菊神社、岡島城跡、岩子島厳島神社等。

参加者:12名。(別日程を含む)

 

第9回2017年1月17日(火)

第一部

10:00~11:00、重井公民館。

参加者:21名。

第二部

11:30フラワーセンター駐車場集合。大出神社、青木城跡(昼食)、八幡神社、フラワーセンター(部分解散、13時頃)、伝六ロード、大浜往還(古道)、白滝山、くんぐり道、フラワーセンター等。

参加者:14名。

 

 

第10回2017年2月17日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:19名。

第二部 

参加者:7名。(内二部のみ1名)

 

第11回2017年3月17日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:19名。

第二部 

参加者:7名。

 

第12回2017年4月17日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:22名。

第二部 

参加者:8名。(内二部のみ1名)

 

第13回2017年5月16日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:19名。

第二部  中庄

参加者:13名。

 

第14回2017年6月20日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:17名。

第二部  中庄

参加者:7名。

 

第15回2017年7月18日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:23名。

第二部  田島

参加者:15名。

 

 

 

 

第16回2017年8月22日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:20名。

第二部  岩城

参加者:12名。

 

 

 

第17回2017年9月19日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:19名。

第二部  鞆

参加者:14名。

 

エクスカーション

2017年9月26日(火)田島

参加者:8名。

 

 

第18回2017年10月17日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:23名。

第二部  大三島

参加者:13名。

 

 

 

エクスカーション

2017年10月18日(水) 岩城

参加者:8名。

 

 

 

第19回2017年11月21日(火)

第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:24名。

第二部  百島

参加者:17名。

 

 

第20回2018年12月19日(火)

 第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:21名。

第二部  大浜

参加者:11名。

 

第21回2018年1月23日(火)

 第一部 
重井公民館、10:00~11:15
参加者:18名。

第二部  弓削、佐島、生名

参加者:15名。

 

 

 

第31回2018年11月20日(火)

 第一部 
重井公民館、10:00~11:20
参加者:24名。

第二部  生口島 高根島

参加者:15名。

 

(付録)因島・ふるさとの歴史を学ぶ会の歴史 

重井町の町民文化祭で重井村四国につい展示発表してからしばらくして、Mさんから

友達と村四国を周りたいと思っているとお聞きした。いろいろ祖父の葬儀後のことでもあり、落ち着かない日々を送っていたので、しばらくそのままになっていた。

 

そして、1回目が始まる数ヶ月前に、せっかくなので巡拝に案内しようと決心し、日程を伝えた。実際に一回目で半分しか回れず、翌週残りを回った。その時途中で様々な文化財や場所の歴史を話したら、大変興味をもってもらえた。いつも見慣れているのにそのことに気づかなかったとか、長いこと住んでいるのに、初めて来たとか、反響が大きかった。そこで、月一回歴史講座を開くことを思いついた。ここで別れたら連絡する機会がなくなると思い、その場で意見も聞いて第3火曜日と決めた。(つづく)

 

 

 

 

 

 

 

除虫菊のページ

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除虫菊畑(尾道市因島重井町馬神)    

除虫菊石碑

広島県尾道市因島重井町  因島フラワーセンター 入口付近にあります。

因島除虫菊の父

広島県尾道市因島重井町一本松 中島菓子店の前 松のある広場の北側にあります。    

さらにその左隣りに詩碑があります。

村上勘兵衛翁詩碑

                                             

                                                                                           

リンク集

   しまなみ人インタビュー (村上富夫さん)   しまなみ人インタビュー (村上安弘さん)

   因島フラワーセンター (種の配布もあります)

   尾道市のホームページ

   大日本除虫菊株式会社(キンチョー) (会社案内の金鳥の歴史、あゆみ)

   フマキラー株式会社

 

参考文献など

 昼田栄編「広島県農業発達史 第四卷」(広島県信用農業協同組合連合会,昭和50年) p.369-562

 網野善彦等監修 日本民俗写真大系④ 瀬戸内海の東西(日本図書センター,1999,p.2) 中村昭夫氏の撮影された1961年の尾道市因島重井町(中学校付近)のカラー写真があります。  

 国立国会図書館近代デジタルライブラリー (除虫菊と入れて検索してみてください)

 北川建次他編「瀬戸内海事典」(南々社、2007)p.367-368に神田三亀男氏による解説。

 中国新聞社編「瀬戸内海 下巻」(中国新聞社、昭和35年)、p.118-123

 村上勘兵衛「米寿記念詩抄」(村上塵外詩抄刊行会,昭和44年)

  吉村昭「事物のはじまりの物語」(ちくまプリマー新書,2005),p.97-109 

 

 

 

除虫菊関係人物誌

 上山英一郎

 和歌山県の人。我が国除虫菊栽培普及の功労者。大日本除虫菊株式会社(キンチョー)の創業者。 

 尾道市千光寺境内に頌徳碑がある。

 向島除虫菊神社がある。

 

 村上勘兵衛

 広島県尾道市因島重井町の人。重井町除虫菊栽培普及の功労者。

 尾道市因島重井町 一本松 中島菓子店の前に頌徳碑がある。因島除虫菊の父  村上勘兵衛翁詩碑

略歴(「米寿記念詩抄」より抜粋)

 明治15年3月1日広島県御調郡重井村に生れる

 明治36年3月広島県師範学校卒業

 明治36年4月~明治41年9月小学校教員

 明治43年12月~大正4年12月重井村収入役 

 

 

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ロスコー・ノートm

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ロスコー Roscoe, H.E.についての覚え書きです。

Henry Enfield Roscoe 1833-1915はイギリスの化学者で、明治以降の我が国の小学校(学年では現在の中学校に相当)における最初の化学教科書の著者です。

 

基礎資料

ノート(1) ロスコーの生涯

ノート(2) ロスコーの著作  

ノート(3) ロスコーの翻訳 

ノート(4) 参考文献  (当時の教育制度を含む)

 

課題

なぜロスコーの著作が選ばれたのか?

ロスコーの著作の特色は何か?

ロスコーの翻訳教科書の功罪、および評価。

翻訳書と原典との対応。

 

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生活単元理科ノート

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生活単元理科とは? *1  

生活単元理科の時代 *1    

生活単元理科の起源 *1 

生活単元理科への批判 *1

高等学校における生活単元理科*1 

生活単元理科と高等学校化学 *2

生活単元理科とデューイの教育思想 

カリキュラム論から見た生活単元理科 

昭和二十二年度 学習指導要領一般編(試案)について -その1 序文- 

 昭和二十二年度 学習指導要領一般編(試案)について -その2 第一章- 

昭和二十二年度 学習指導要領理科編(試案)について -その1 はじめのことば- 

昭和二十二年度 学習指導要領理科編(試案)について -その2 第一章 理科の指導目標-

 

参考文献集

 

*1は修士論文の一部。*2は研究紀要発表。いずれも一部改稿。

 

なぜ、生活単元理科か?

身の回りの物質を高校化学教材で扱うときの基本理念を考えることができる。

身の回りの物質を高校化学教材として扱うときの問題点は、生活単元理科の中に内包されている。

 

探究活動の理念。 

  (本来の探究活動というのは課題学習的な意味のものだった。もっとわかりやすく言えば自由研究的なものであったが、最近の教科書では、生徒実験に相当するところが探究活動として扱われている。探究活動の一形態だから、まったくの誤用というわけではないが。)

   生活単元理科は同時に、問題解決学習とも呼ばれたように、探究活動的方法に向いていた。 

   探究活動的授業の問題点の一部も生活単元理科に内包されている。

 

 

 

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碑の聲

碑の聲        CRYSTAL  Home 

 

旧山陽道 神辺・高屋(写真)

 山陽道広島県岡山県の境界碑です。

写真1 西側  神邊驛へ壹里拾八町四拾五間

写真2 北側  廣島縣距 廣島細工街元標参拾里貮拾八間参尺九寸

          岡山縣距 岡山橋本町元標拾参里貮拾七町参拾六間 (中央に)管轄境界標

写真3 東側  七日市驛へ壱里拾壹町拾参間

     南側  大正八年壹月  備中國後月郡高屋村

                     備後國深安郡御野村

 

壹 イチ イツ ひと・つ  壱の異体字

貮 二 ジ ふた・つ 弐の異体字

 

 

熊口池堤樋完成記念碑(写真)

 

 岡山県笠岡市篠坂にある溜め池の堤に建つ石碑です。

写真1  正面に以下のように記されています。

     熊口池堤樋完成記念

          昭和五十五年五月建立

写真2 堤のつちへんのところに雨蛙が入って眠っています。

写真3 上のほうから排水する樋です。

 

除虫菊石碑

    因島の花除虫菊

    風さやか

     ロマンの島の白い花 

           広島県知事 藤田雄山

 

     広島県尾道市因島重井町  因島フラワーセンター 入口付近にあります。

 

 

因島除虫菊の父

        功徳

    因島菊の父

    村上勘兵衛翁之碑

  広島県尾道市因島重井町一本松 中島菓子店の前 松のある広場の北側にあります。   

  さらにその左隣りに詩碑があります。

村上勘兵衛翁詩碑

     除虫菊神社

         塵外作  

   偉哉霊薬除虫菊

   成就天慈地澤深

   欲攘坤圓球上穢

   發揚清浄自然心

背後の山は左側が村上水軍馬神城跡、中央が青木城跡。

 

源義経上陸の地碑   遠景

  徳島県小松島市  

  四国八十八所霊場18番恩山寺の近くです。

 

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夕凪亭閑話 2006年6月

夕凪亭閑話 2006年6月   CRYSTAL  Home 

2006年6月2日金曜日

 6月は蝸牛(カタツムリ)の季節である。しかし,最近はカタツムリにもなかなかお目にかかれない。いるのはナメクジばかりである。昔は,橙の木の下によくいた。幹を登ることもある。通った跡は,ナメクジ同様きらきらと光る透明な道筋を残す。日中は蕗の下にひっそりと隠れていることもよくあった。

 蝸牛は雌雄同体で,一匹でも子孫を残せるが,相手がいれば,そちらを選ぶという,便利な生態をしていると,何処かで読んだことがある。同じように見える蝸牛でも,それぞれ個性があって,まったく親と同じであれば,環境の変動にも同じような影響を受けるから,できるだけ多様な子孫を残す方が合理的だという,天の配剤によるのであろうか。

2006年6月3日土曜日

 やっと夏になったようである。しかし,梅雨前というのに湿度は低く,日陰ではさわやかであった。庭の踏み石の間に雑草が生えてかなわないので,セメントで固めてカドにした。カドといっても,こういう言葉が分かる人は多くはなかろうから,少し説明が必要だろう。

 カドを説明しようとしたら,瀬戸内地方の農家の構造から話さなければならない。一軒の農家があるとしよう。市道から私道を経て農家の敷地に入る。住居と倉庫がある。その間と前の広い空間がカドである。角(かど),四つ角とかいう「かど」が,かにアクセントがあるのに対して,この広場のカドはドにアクセントがある。現在なら住居の前の空間は庭と呼ぶべきだろうが,農家にとって庭は玄関の戸を開けて入った土間が庭(ニワ)である。この庭の左に和室がある。6畳か8畳である。さらにその左奥に床の間つきの和室がある。ここが上の間(おかのま)で,土間のすぐ左が下の間(したのま)である。土間の右手には,木製の丈夫な戸のついた物入れがある。これが「ネズミイラズ」である。

 いうことで,「ニワ」と「カド」の関係がおわかりになられたであろうか。だから,庭の一部をセメントで固めれば,そこはカドになるのである。

2006年6月11日日曜日

 カドを作るのに,庭の土を掘り返しているので,そこから出た虫を食べに,雀が夕凪亭の前へしきりとやってくる。よく聞いていると,来る時と逃げる時の囀りが異なるようだ。さながら,はじめのは「餌があるぞ」と解釈できた。後のほうは「危険だ,逃げろ!」と言っているようであった。こういう話しを家人にすると,受験生の息子は,餌を教えることはない,他のものが見てやってきただけだと言って,平和論者の私と見解が相違した。かように,雀の囀り一つの解釈を巡っても,観察者の人生観やら思想が反映するものであるらしい。イギリスのフラシシス・ベーコンがイドラと呼んだものである。「種族のイドラ」「洞窟のイドラ」「市場のイドラ」「劇場のイドラ」である。上記の例は「洞窟のイドラ」であって,人間個人のイドラのことである。THE NEW ORGANON から該当のところを引用しておこう。

XLII

The Idols of the Cave are the idols of the individual man. For everyone (besides the errors common to human nature in general) has a cave or den of his own, which refracts and discolors the light of nature, owing either to his own proper and peculiar nature; or to his education and conversation with others; or to the reading of books, and the authority of those whom he esteems and admires; or to the differences of impressions, accordingly as they take place in a mind preoccupied and predisposed or in a mind indifferent and settled; or the like. So that the spirit of man (according as it is meted out to different individuals) is in fact a thing variable and full of perturbation, and governed as it were by chance. Whence it was well observed by Heraclitus that men look for sciences in their own lesser worlds, and not in the greater or common world.

 さて,さらに雀の行動を観察していると,見張りが一羽いることがある。そしてその見張りは,餌を取ることなく,同じ調子で鳴き続けている。「今は,安全だ」という合図だろう。そして時々,餌を啄んでいる他の雀が,その見張りに餌を運ぶのだ。

2006年6月12日月曜日

 雀と言えば,舌切り雀だが,今日は,雀と蝶の対話という面白い話しを紹介しておこう。雀は秋になると,蛤に変化するという俗説があった。そういえば,幼稚園の遠足で行った砂浜には浅蜊より少し小さい,薄黄色の殻をもった二枚貝がいた。スズメ貝と言って,取って遊ぶのだが,浅蜊と異なり食用にする習慣がないから,捨てて帰る。普通潮干狩りというのは,灰色から黒に近い磯土の中にいる浅蜊を獲る。浅蜊は,砂浜にはいなくて,このスズメ貝というのは,海水浴をする満潮に近いころでも獲れるから,幼児にとっては楽しい。しかし,ほどなくしてそのスズメ貝はいなくなった。確かに,あの頃の海は,おとぎ話に出てくる海のようにきれいだった。

 さて,その秋になったら,蛤にならなければならない雀が,蝶に言う。おまえは毛虫から,美しい蝶になって,自由に飛び回れるようになった。それに引き替え,自分は今は自由に飛び回っているが,秋になるといかなる因果か,蛤になって冷たい海の底で,外の世界も見ずに暮らさなくてはならない,と嘆く。

 それを聞いて,蝶は「嘆くなかれ。汝が下落にもあらず,我が立身にもあらず。」と言って雀を慰める。毛虫から蝶へどのように変化したか覚えていないし,まして毛虫の時のことは忘れてしまった。雀さんも自然に蛤になって,蛤になったら,雀のときのことは忘れて,蛤の心になって「極寒にも水中を家として,寒き事もなく,転びまはりて,相応に世をわたるならむ。」というわけで,蝶の演説はまだまだ続く。輪廻転生といっても,「前生の事,誰か覚へたるあらむや。」というわけである。

 という,なかなか含蓄に富んだ話しが,江戸時代の思想小説的戯作「田舎荘子」の巻頭を飾る「雀蝶変化」である。新日本古典文学大系の81巻にある。

2006年6月13日火曜日

 子供の頃,雀を飼ったことがあります。といっても,わずかな期間で,結局餌付けできなかったので,逃がしてやりました。春になって,樋と屋根の間に作っている巣に手を入れて,飛び立つ前の雀をつかまえて来ました。それを,金網で覆った箱に入れて飼育していました。しかし,残念ながら,僕がやった餌は食べてくれません。雀から離れていると親鳥が,餌を掴まえてきて,金網越しにやっていました。その光景を何度も目撃し,これでは飼育の意味がないと思い,諦めて逃がしました。何度か,やってみましたが,いずれも同じ結果でした。眼が開く前から育てないと,なつかないとは,よく聞くことです。でも,残念ながら,眼が開いている前の雀の雛で,無事育てたということはありませんでした。すなわち,雀を手なづけたことは,残念ながら,ないのです。

2006年6月18日土曜日

 最近の読書から。

 「ダ・ヴィンチ・コード」上(角川文庫)。もっと先が読みたい,という気持ちになかなかなりません。凱旋門近くのロータリーは,昔,「ジャッカルの日」という,これまた世界的なベストセラーにも出てきて,そのときは,その先が知りたくて,熱中したものですが・・・。

  島田荘司「ロシア幽霊軍艦事件」(原書房)。これは図書館から借りてきて。返却日があるので,ある程度時間を割かねば・・・,ということで,珍しく集中した。ロシア革命の復習。ロマノフの秘宝とかペトロフ事件に興味ある方はどうぞ。アナスタシアものですが・・・。

2006年6月21日水曜日

 本日は夏至である。例の理科年表によると,太陽黄経90°,(21時26分)ということで,つい先ほど,黄経90°を通過した。7時45分くらいまで,明るかった。朝は4時過ぎから明るい。

 我は海の子。我は夏至の子,である。そのせいかどうかはわからないが,夏ばてというものを知らない。暑くもても食欲は一向に衰えない。しかし,汗が出るので,動くのは嫌だ。

 梅雨の中休みも終わり,明日からは雨が降りそうである。雨ニモマケズ,・・・夏ノ暑サニモマケズ・・・。

 その夏の暑さを,弘法大師さまのお力にすがろうというわけではないが,昨日,四国八十八カ所霊場巡拝御寶印譜の掛け軸が完成し,届いたので,般若心経を唱えて軸開きをした。息子にどういうものか説明すると,新種の動物でも見るような眼で見ていた。一応分かっとは言ったが,お互いに異次元の世界に棲んでいることを確認しただけであった。

 

2006年6月23日金曜日

  昨日は大雨洪水警報が出るほどの激しい雨で,いよいよ梅雨も本格化して,湿度の高い日が続く。子供より親が大事と言った太宰治ではないが,人間より,本のほうが大事,と思いたい。ということで,夕凪亭では,バンバンとエアコンを効かせて,除湿している。何しろ,自分で設置したエアコンだから,今年も動くだろうかと,不安なのであった。セパレート式のエアコンは室外機と室内機を結ぶ銅のパイプの接続が一番難しい。トルクレンチなるもので,締め付ければいいのだが,そういう工具は買っていないから,カンで行うしかない。締め過ぎると銅のテーパー部分を割る。締め付けが弱いと,当然のことながらガスが漏れる。これまでの経験では,1年もてば,だいたい大丈夫のようだ。ガス圧が低いと,室外機の送出側に霜がつく。こうなると,素人の哀しさ,お手上げである。その部分が霜でなく水滴がつくようだったら,順調に行っている。

2006年6月25日日曜日

 最近の読書から。宮部みゆき「理由」(朝日新聞社)。これも図書館から借りてきて。よく出来た小説です。と言っても,宮部さんの本は,どれもよく出来ていますから,今更,傑作ですとか言う必要はありません。もうずっと前のことですが,「レベル7」とか「パーフェクトブルー」とか「龍は眠る」とか「悪魔はささやく」とか,いろいろ読んで,大ファンだったのですが,面白すぎて読むのをやめていた次第。正確に書くと,面白くなって,あっという間に読んで,しばらくして忘れてしまうので,読むのをやめていたのである。今回も,急いではいけないと,何度も自分に言い聞かせていたのだが,半分も行かないうちに,加速度がついて・・・・。offする理由が,丁寧に,リアルに書かれていたということと,不動産取引というのは,やはり大変なのですね,ということが残ったので,後は忘れてもいいことにしましょう。最後に,どんでん返しをしてもよいだけの材料があったのにしなかったのは,残念ですが,それは,主題とのかかわりですから,仕方がないか。

 今朝からカウンターを,crystal top 頁につけました。夜になって,同一IPアドレスからの連続アクセスは2回目をカウントしないように設定しました。あいだに,他のIPからアクセスがあれば,またカウントすると思います。

2006年6月27日火曜日

 本田靖春サンパウロからアマゾンへ」(北洋社)を読んだ。ブラジルのレポートである。ブラジルのレポートは,日系人社会を描いたものと,アマゾンの大自然を描いたものが大部分である。この本は前者である。といっても,アマゾンの大自然の中にも日系人社会はあるから,その記述がないことはない。昭和51年に書かれたこの本がなぜ夕凪亭の書棚にあるのかというと,北杜夫さんの「輝ける碧き空の下で」という小説の参考文献にあったからである。第2部のほうである。ピメンタもジュードの話しも,ほんのわずかだが,それでも,アマゾンに住む日系人の歴史と様子がよくわかる得難いレポートである。そして,そこから見た日本及び日本人への提言も,ジャーナリスト魂のなせるところであろう。

2006年6月29日木曜日

 7時前になって,曇った空の雲の切れ目から日が射しだした。今日も蒸し暑くなりそうな気配だ。とはいえ,また明日からは雨という天気予報。空梅雨というのは例年のことだが,今年は梅雨らしい梅雨だ。しかし,降り出すと激しい。やはり,温暖化による異常は続いていると見るべきか。

 遅ればせながら,山梔子が咲いた。まだ一輪だけである。早い家では一週間くらい前から咲いて,近くを通るとあの独特の香りが匂っていた。早く咲かないかと期待していたら,やっと咲いた。折ってきてコップに刺してテーブルの上に置いた。まだ匂いは弱い。

2006年6月30日金曜日

 去年植えた紫陽花は何とか根付いたのに,今年は咲かなかった。来年は咲きますように。このところの,温度上昇により,西洋朝顔が急に大きくなりはじめた。蔓が地を這っているので,そろそろ天に向かうようにしてやらねば。メダカも何尾か生まれている。暑いか,雨かどちらかなので,卵を分離することもせず,勝手に繁殖させている。去年買ったウォーターレタスは,結局屋外では冬を越すことはできなかったが,屋内にあったものが外に出すと,再び増え始めた。根のところに茶色い泥を集める。おかげで水は澄み,好都合である。菱にも似たような作用があるのか,ある日突然水が澄む。コロイド化学でいう,凝析である。これで思い出すのは,昔,田んぼでみたことのあるドジョウだ。鰓で呼吸するから鰓の動きを飽かず眺めていると,ドジョウの周囲だけが水が澄んでいたことがあった。あれも,凝析させるようなものをドジョウが分泌していたのではないか,と思う。

 紫陽花は咲いていないが,ミニ薔薇が9輪,真紅の花びらが雨にぬれている。夕凪亭は,塀に沿って植えてある木蓮やモッコウバラやタイサンボクによく似た木やバベが繁って,道路からはほとんど見えないので,日が暮れるまでカーテンはしない。青く煙った遅い黄昏が次第に小雨の夜のなかに浸されていった。そしてやがて,6月も終わる。2006年も半分終わった。ああ。

 

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